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活気のある混沌とした街並みに魅力を感じるインド。
2027年には中国を抜き、世界で最も人口の多い国になることが予想されています。経済は著しい発展を見せていますが、その一方で格差や貧困などの様々な問題を抱えているのも事実。
今回ご紹介する映画は、そんなインドの実情も交えた作品です。
先の3作品は、大好きな俳優 デーヴ・パテールが出演。
出典:Wikipedia
デーヴ・パテールとは、ケニア出身インド系移民の両親のもと、1990年ロンドン郊外で生まれ育ったインド系イギリス人俳優です。幼い頃から始めた演技には定評があり、これまでに数々の賞を受賞。魅力的なデーヴに注目してください。
後の2作品は、制作国がインドのボリウッド映画。ボリウッドの特徴は、笑って、泣いて、歌って、踊る! ミュージカル仕立ての物語が多いですが、こちらの2作品は歌の場面が少なく、ミュージカルが苦手な方にもオススメできます。
スラムドッグ$ミリオネア
2008年 イギリス・アメリカ 監督 ダニー・ボイル 出典:Amazon プライムビデオ
日本で人気を博したクイズ番組『クイズ$ミリオネア』はインドでも国民的人気番組です。次々と難問をクリアしていく中で、主人公の波乱に満ちた半生が明かされていく物語。
アジア最大のスラム街に生まれ、兄と二人たくましく生き抜いてきたジャマールは、ある目的を持ち『クイズ$ミリオネア』に出場します。多くの国民が見守る中、快進撃を見せ最終問題まで残りますが不正を疑われ逮捕。警察で激しい拷問を受けるジャマールは疑惑を晴らすため、これまでの人生の中に答えがあるのだと、過去の出来事を語り始めます。
路上で生活するストリートチルドレンの数は、世界に1億人以上いると言われています。みやげ物や花を売る子供だけではなく、麻薬の密売や児童買春に利用される子供も少なくありません。重いテーマが含まれた作品ですが、軸には純粋なラブストーリーがあり、スピード感ある展開でラストまで一気に見せてくれます。どんな状況下でも希望を見出すことができる主人公に拍手喝采です。
ライオン 25年目のただいま
2016年 アメリカ 監督 ガース・デイヴィス 出典:Amazonプライムビデオ
驚きの実話を元にして『英国王のスピーチ』の制作スタッフが手掛けた感動の物語です。
貧しい家計を支えるため、懸命に働きながら母親を助ける5歳のサルー。兄と仕事を探しに行った駅で迷子になってしまいます。人身売買や性的虐待など様々な危機を回避し、オーストラリアに住む夫婦の養子となることに。25年後…何不自由なく育ったサルーですが、故郷の家族への想いは増すばかり。友人に勧められたGoogleEarthとの出会いにより、再び運命が動き始めます。
子供時代を演じたサニー・パワール君の何と可愛らしいこと! 聡明な輝きを持つ、大きな瞳に魅了されました。広大なインドの地で一人ぼっちになった5歳の子を想うと、心が押しつぶされそうになります。なぜタイトルが「ライオン」なのか?その理由がラストにありました。何度観ても涙が止まらない珠玉の作品です。
ホテル・ムンバイ
2018年 オーストラリア・アメリカ・インド 監督 アンソニー・マラス 出典:Amazonプライムビデオ
インドで実際に起きた事件を映画化。誇り高きホテルマンの真実の物語です。
2008年、イスラム武装勢力による同時多発テロが発生。ムンバイにある五つ星ホテル「タージマハル・ホテル」は武装集団に占拠され、銃撃や爆破による無差別な殺戮が繰り広げられます。従業員達は簡単に逃げることができたはずですが、一人でも多くの命を救いたいと現場に残ることを決断。特殊部隊の到着まで数日かかるという状況の中、決死の脱出劇が始まります。
ムンバイ同時多発テロ事件では、外国人向けのホテルや駅、レストランなどが襲撃され多数の犠牲者が出ています。リアルな映像表現に圧倒され、画面越しでも恐怖を感じました。実際の現場にいた人達の気持ちは計り知れません。ホテルマン達の勇敢さに感動する一方で、洗脳されたテロリスト達の苦悩にも触れ、深く考えさせられました。
きっと、うまくいく
2009年 インド 監督 ラージクマール・ヒラーニ 出典:Amazonプライムビデオ
170分もある作品ですが最後の最後まで面白く、見終わった後は爽快な気分になります。
インドではエンジニアは憧れの職業です。エリート理系大学ICEに入学した『型破りな天才』ランチョー、『動物好きで機械には興味のない』ファラン、『全てが神頼み』ラジューは鬼学長を激怒させる問題児。そんな3人が巻き起こす騒動と、行方不明になったランチョーの謎を解明していく、コメディー&ミステリーの超大作です。
インドに根強く残るカースト制度では、身分階級によって職業が決まり、選択の自由が制限されています。しかし、新しい職業分野ではカーストの規制がなく、近年はIT業界を目指す若者が急増。教育現場では熾烈な競争が繰り広げられています。試験の失敗やプレッシャーから自殺者が増え社会問題にも。そんな学歴社会に一石を投じるのがこの作品。真の幸せとは何か?生きる意味とは何か?を問いかけてきます。
スタンリーのお弁当箱
2011年 インド 監督 アモール・グプテ 出典:Amazonプライムビデオ
演技経験のない子供達を毎週土曜日に学校に集め、ワークショップという形で作られた作品。子供達は最後まで映画の撮影とは知らなかったそうです。
愉快で優しいスタンリーはクラスの人気者。家庭の事情で昼食のお弁当を作ってもらえず、水を飲んで空腹をしのいでいます。友人たちは大好きなスタンリーに喜んでお弁当を分けてあげますが、そのことが気に入らない先生に「弁当を持たない生徒は学校に来る資格はない!」と叱りつけられてしまいます。ショックを受けたスタンリーは、翌日から学校を休むことに。
インドの就労児童数は、家事労働を含めると5,000万人以上いると言われています。コメディー映画の本作は、子供達の純粋さや大人の滑稽さを面白可笑しく描きつつも、子供らしい生活を送れない過酷な現状も映し出しています。終盤に明かされる家庭の事情を知ると、スタンリーの明るさが切なく、とても愛おしくなります。